京都の四条通りを歩いていると、お雛様が飾ってあるお店を見つけました。
お人形の代理店の田中彌さんです。お店の入口に「2F 雛まつり」の看板があります。
私はお雛様が大好きで、お隣の滋賀県では色々な市町で「ひな人形めぐり」のイベントが開催されているので、2月3月は「大河ドラマと京都・滋賀・岐阜・愛知の観光とグルメ」のブログで滋賀県のひな人形めぐりをしているところです。
京都市内ではお寺など(宝鏡寺・法住寺・博物館さがの人形の家)のひな人形展がありますが、「ひな人形めぐり」のイベントはありませんね。
それで、京都ではお雛様をゆっくり見られる場所が少ないので少し淋しく思っていたのですが、思いがけず、田中彌さんの「雛まつり」でたくさんのお雛様を見せていただきました。
お庭のある奥のお座敷にもお雛様が飾られていて、とても風情があります。
2024年の大河ドラマは平安時代。「源氏物語」の作者、紫式部が主人公の「光る君へ」。
平安貴族の女性は美しい十二単、男性は凛々しい束帯で、お雛様の衣装ですね。
雛段飾りは平安貴族の婚礼の様子を表していると言われています。
戦国武将が活躍する戦国時代も大好きなのですが、お雛様の平安時代の優美な衣装に惹かれます。
私のお気に入りのお雛様は、上の写真の赤い十二単のお雛様と青色の束帯のお内裏様です、と言いそうになりますが、
「お内裏様とお雛様」は、サトウハチローの「うれしいひなまつり」の歌で子供たちや世間に広まってしまった間違いで、「男雛と女雛」が正しい言い方のようですね。
お内裏様とは男雛と女雛のお二人共で、お雛様は雛人形全員の総称です。
私も子供の頃から「うれしいひなまつり」は大好きでよく歌っていたので、「お内裏様とお雛様」が馴染んでしまっていました。
京都を中心とした関西の一部と関東では男雛と女雛の位置が逆になっていますね。
京都では向かって右が男雛ですが、関東では向かって左が男雛です。
平安時代は日が昇る東が陰陽道で陽の上位となるので、御所で南に向いて立つと、東が左で上位でした。
そのため、向かって右が上位となります。
ちなみに、京都の左京区と右京区の位置も地図で見ると左右逆になっていますね。
「左上位」「左上座」「左上右下」(さじょううげ)なので、官位も左大臣の方が右大臣よりも上でした。
京都では、男雛と女雛の位置は平安時代のそのままになっています。
関東では、明治の終わり頃に、右上位の西洋文化に倣って天皇と皇后の位置が変わったことから、男雛と女雛の位置も逆になったと言われています。
十二単の衣装は、一番上に唐衣(からぎぬ)、その下に何枚もの着物を着て、長袴(ながばかま)をはいて、腰から後に裳(も)を垂らしています。
女雛の髪型は平安時代の垂髪(すべらかし)とは違い、江戸末期に誕生した結髪の大垂髪(おおすべらかし)です。
女雛の十二単のグラデーションがとても美しいですね。
雛段の高い位置に飾られた女雛を正面から見ると、後ろの裳は見えませんが、横や上から見ると色々な裳の模様が眺められます。
お雛様の女雛をじっくり見ていると、本当に美しくてため息が出てしまいます。
束帯の男雛。優雅で格好良いですね。
京都では旧暦の4月までお雛さまを飾ってある所もありますが、田中彌さんでは端午の節句の五月人形の展示に変えるので、「雛まつり」は3月3日までだそうです。
お雛さまが大好きで「ひな人形めぐり」をされたい方は、3月3日を過ぎてもまだ間に合います。
旧暦では桃の節句・ひな祭りは4月3日なので、3月3日を過ぎてもひな人形めぐりのイベントを行っている地域があります。
前述の滋賀県では、びわ湖周辺の市町で「ひな人形めぐり」が開かれています。
2023年は12市町が参加されました。2024年は主な市町では長浜市が一番早くて(12月)1月から3月初旬、8日まで、大津市、近江八幡、東近江市、日野町などは2月から地域や施設によって3月の初旬、中旬、下旬まで開催されています。
岐阜県の高山市では、ひな祭りが旧暦の4月3日、端午の節句が旧暦の6月5日なので、ひと月前から当日まで1か月の間、ひな人形めぐりや五月人形めぐりのイベントが開催されています。
次の記事では、天皇の「即位礼正殿の儀」の御装束を模した立雛などをご紹介します。
購入された方の評価 ★★★★★ 4.5
総合評価 ★★★★★ 4.8